「今年も咲いています クマガイソウ」のタイトル画像

福島市松川町のクマガイソウを守るために

水原の自然を守る会 会長 丹野孝吉氏の写真

 水原の自然を守る会 会長 丹野孝吉さんに、福島市の松川町水原地区の鎌倉山(以下水原地区)に群生する、クマガイソウを守る為の取り組みや思いを伺いました。

クマガイソウを守る団体を設立

 水原地区のクマガイソウは平成の初めごろに、地元の方に発見されました。発見された当時、咲いていたクマガイソウは500本から600本程度。発見後、盗難があり徐々に少なくなってきました。クマガイソウが大量に自生している場所は、全国で3、4カ所。そのうちの一つである水原地区。そこで平成14年に地元の有志が「水原の自然を守る会」を設立し保護活動を開始しました。

あえて公開することで守っていく

 全国で数カ所とされるクマガイソウの群生地ですが、多くは盗掘されてしまうことがあるため、場所は公表していません。私たちは継続的に、クマガイソウを守るために、クマガイソウの開花前後に「クマガイソウの里まつり」を開催し、みなさんに見て楽しんでいただく「開かれた保護」を行うことにいたしました。ですから水原地区のように、たくさんのクマガイソウを一度に見ることができるのは本当に貴重だと思います。「水原の自然を守る会」の会員だけでなく、見に来ていただいた方にもみんなで一緒に守っていただきたい、そのような目的があり、あえてオープンにしているのです。
 クマガイソウは自生している植物です。人工的に手を加えるわけにはいきませんので、自然に成長していく姿を見届けながら、日々自分たちができることを考え保全に努めています。

クマガイソウでみんなを元気に

 クマガイソウは2011年3月11日に起きた震災の後も、きれいな姿を見せてくれました。私たちも植物を見習い、めげずに頑張っていこうと思わされました。いつも「クマガイソウの里まつり」に来ていただいている方たちにまた見ていただきたい、地元の方にも元気に咲いているクマガイソウを見ることで励みになればと思いました。その年は「クマガイソウの里まつり」は実施しませんでしたが、一般公開しました。大きなPRもしませんでしたが、その年は2,500人もの方が足を運んでくださり大変嬉しく思いました。これからも、クマガイソウを見て喜んで元気になっていただけるよう、クマガイソウを守り続けていきたいと思います。