南極便り 第1回のタイトル画像

 第57次日本南極地域観測隊に、福島市在住の梅津正道さんが選ばれました。梅津さんは現在、南極の昭和基地で観測活動を続けています。
 梅津正道さんに南極の自然や観測隊のお仕事、暮らしの様子などを南極から届けていただきます。第1回は梅津正道さんの紹介です。

南極観測

南極の写真

 

 

 

 人間の活動から遠くはなれた南極は人間による環境汚染が最も少なく、地球環境を正確に観測できる貴重な場所です。世界各国が協力して南極での観測を進め、地球環境の変化を解き明かしたり、地球環境の未来を予測したり、環境問題の研究に役立てています。さらに、保存状態の良い隕石が多く発見され、オーロラなども観測できるので、宇宙の研究にも役立っています。

 日本でも、国際協力のもと1956年から日本南極地域観測隊がさまざまな観測を行っています。観測隊には夏隊と冬隊があります。冬隊は越冬隊とも呼ばれ、約14ヶ月に渡って南極に滞在して観測を行います。

梅津正道さん

スカーレン氷河にて、日本宇宙少年団福島分団ののれんと一緒に写る梅津さんの写真

昭和基地から70km離れたスカーレン氷河にて、
日本宇宙少年団福島分団ののれんと一緒に。

 梅津さんは今まで第32次観測隊、第48次観測隊、第50次観測隊の冬隊に参加しました。梅津さんが南極で越冬するのは、今回の第57次観測隊で4回目になります。

 観測機器メーカーに勤めていた梅津さんは、観測機器の保守運用のために第32次観測隊に参加し、南極が大好きになりました。また南極に行く夢をかなえるために観測隊員募集にチャレンジし、多くの応募者の中から第48次観測隊に選ばれました。その後も、第50次観測隊に参加し、今回は第57次観測隊に参加しています。

 

 

 

 

福島の子どもたちへのメッセージ

 梅津さんは、南極の様子を届けることで福島の子どもたちに夢や希望を持って欲しいとお話しています。

message

 

 

 

 

梅津正道さんの略歴

  • 福島県立福島工業高等学校卒
  • 人工衛星の受信、管制機器の調整、運用に関する業務に携わる。
  • 第32次日本南極地域観測隊(越冬) 平成2年(1990年)から平成4年(1992年)
  • テレビ(地上波)、ラジオ(FM)、衛星放送の業務に携わる。
  • 地球観測衛星によるリモートセンシング(画像撮影)業務に携わる。
  • 第48次日本南極地域観測隊(越冬) 平成18年(2006年)から平成20年(2008年)
  • 第50次日本南極地域観測隊(越冬) 平成20年(2008年)から平成22年(2010年)
  • 第57次日本南極地域観測隊(越冬) 平成27年(2015年)から現在
オーロラとオーロラ観測用のレーダーの写真

オーロラと
オーロラ観測用のレーダー。

 梅津さんは宇宙に大変関心が深く、吾妻山の浄土平で見た美しい星空に感動したのが宇宙に興味を持ったきっかけでした。また、梅津さんは福島の子どもたちを応援するために、南極展を開催したり、日本宇宙少年団福島分団や福島市内のスポーツ少年団の活動に協力したり、いろいろな活動をしています。

 

 

 

 

 

 

梅津さんの南極でのお仕事

大型短波レーダーの保守作業の写真

大型短波レーダーの保守。
昭和基地には40基あります。

 梅津さんは電波機器の専門家です。主なお仕事は、オーロラを観測する機器の運用、地球温暖化の研究をするための中層圏観測、宇宙天気予報を出すための電離層観測機器運用です。短波レーダーなどの観測機器を使って、空気がほとんどない高層の大気や磁場、オーロラの状態などを観測します。

 今、地球温暖化などの世界的な気候変動が大きな問題になっています。また、人々の生活をまもるために宇宙天気予報も重要です。こうした研究には磁場やオーロラを観測することが欠かせません。梅津さんは、こうした気候変動の研究や宇宙天気予報にとても重要なお仕事をしています。

 

 

 

 

 

 次回からはいよいよ梅津さんから南極の様子を届けていただきます。どんなお話が届くのかお楽しみに。掲載は5月末を予定しています。

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