地域にとって重要な場所

地域ホットスポット(放射線量の高い地域)の除染の様子について、福島市内にある大原神社で実施された時の内容を紹介します。
※地域ホットスポット除染は、福島市ふるさと除染実施計画<第2版>(3.優先度の考え方 (2)地域内の土地用途別(優先対象) P.14)により進められています。

作業の現場の写真

通行人が多い場所に、ほこりや洗浄水が飛散しないよう、シートが張られています。

看板の写真

除染作業実施中であることがわかる看板には、除染の期間や連絡先などが表示されています。

表土除去の写真

すでに機械によって表土が取り剥がされた場所(汚染の度合いにより、剥がされる土の深さは変わってくる)

測定中の写真

表土の除去後、管理員が線量を確認したあとで、客土戻しを行います。

現地保管の様子の写真

除去した土壌は、地下保管か地上保管の措置がとられます。

作業の様子の写真

作業は、小回りのきく重機や手作業で行われます。

作業の様子の写真

表面汚染が高いことが確認された木などは、枝払いや高圧洗浄をおこないます。

作業の様子の写真

細かい部分は客土を手作業で入れていきます。

大原神社の写真

除染作業が終わり、客土戻しが済んだ大原神社です。

大原神社の写真

囲んでいたシートも外され植栽も整えられています 。

お知らせの写真

早速、地域の方々が集まる催事のお知らせが。

地域のホットスポットを伺いました。

子どもたちが、常に接する場所なのでこれで一安心です。

 吾妻地区は、市の除染計画から行けば26年度の実施予定ですが、この大原神社境内を地域ホットスポットとして除染を希望し、申請しました。多くの子どもたちが毎日登校・下校の際に通り、週末には隣のグランドに集まる。それが大きな理由でした。
 この神社の境内は、隣に市の吾妻地区のグランドがあります。(公共施設として既に除染終了)毎週末のように子どもたちが集まって、野球などの練習を行っている場所です。北隣り150メートルほどの所には、野田小学校があり境内とグランドの間の道が通学路になっています。朝の通学時間帯には車両通行止めになっているほど多くの子どもたちが通る道です。野田小学校は児童数が多く、鼓笛隊パレードのテレビ放送では、学校紹介の際に「児童数が最多」と長年言われてきたものでした。震災で転校した児童もあり、現在は最多ではないようですが。
 この神社はまた、小学校3年生の総合学習の授業で1月15日の「どんど祭」に、児童たちが毎年訪れる場所でもあります。
 もちろん大原神社は、周辺の4つの町内会(笹木野・金谷・日井古屋・長畑)が氏子となっている地域のお社(やしろ)です。神事・祭事だけでも、正月には元旦祭り、「どんど祭」が行われ、春の例大祭では、20軒ほどの出店も並びます。夏には盆踊り、夏越人形祭で賑わい、秋には新嘗祭を執り行います。その他に社務所は地域の会合や催しに人が集まります。境内や、すぐ前にあるグランドにあるケヤキやサクラ、イチョウの幹の太さをみても、にわかに植えられたものではないことから、神社が古くから人が集まる場として使われてきたことがよくわかるのです。

地域の方々は、除染作業に理解があり、現地地下保管も可能となりました

 地域の方々も、少しでも安心できる場所となることを望んでおり、除去土壌の現地保管についても了解していました。隣にある市のグランドで除染作業が行われる際に、作業の様子を目にしていたという経過もあります。作業に関しては特に不安の訴えはなく、地域ホットスポットとして申請する意見もまとまりました。地下に除去土壌を保管するための面積も、十分な広さがあるということで、申請の受理に至ったかと思っています。
 作業が始まる前に、隣接する各戸には、市の指定業者の方から通知が配られました。町内会で集まって説明をと考えていましたが、集まるまでもなく速やかに連絡が行きわたりました。
 作業をするうえでは、何よりも通学の児童の安全を最優先してくれるようにと、念のため重ねてお願いをしましたところ、作業現場の前にはいつも誘導員が立っていてくれました。
 10月26日で作業が終了しましたが、早速11月4日の日曜日には、地元の方がイベントを開くようです。ひと安心できました。