「撮りたいものを撮りたいように」柳田利美
傑作を撮らなくてはと、気負わずに
気軽にシャッターを切ることから始めてはどうでしょう。
遠出をしなくても、自宅の周りにも被写体は溢れていますし、自分にとっては何でもない風景が他人には珍しい風景ということもありますよ。
次に、あちこち行って写真を撮る楽しみ方も、特定の場所を撮り続ける楽しみ方もあります。 同じ場所でも四季や天候、朝、昼、晩、時間帯によっても違った表情を見せます。そういう変化を狙ってみましょう。一つの花も、開花した状態だけでなく、ツボミや、落花したときもシャッターチャンスです。
出かける場所としては、「あづま総合運動公園」や「四季の里」の周辺はいつ行っても何かしら咲いていますね。
5月中旬なら「女沼」のツツジ、6月には「浄土平」の高山植物、ワタスゲ、イワカガミ。民間の施設ですが「浄楽園」もいいようです。7月には、「あづま総合運動公園」のヤマユリなど、お勧めです。
はたまた、目的もなくブラブラと歩いていたときに見つけた花たちを撮るもの楽しいものです。
福島は、写真を撮るには非常にいいところ
春の花見山公園から夏の田園風景、吾妻連峰の秋の色づき、雪の積もった市街地と、市内のいたるところにシャッターチャンスが存在します。
花見山公園はすでに全国区の肩書きとなっていますが、磐梯吾妻スカイライン沿線の風景も被写体に困ることはありません。
今年は通行料金が通年無料のようですから特にお勧めです。麓から望む吾妻小富士は四季を通して福島人の原風景ではないでしょうか。
見るという点でも、福島市は写真を趣味にされている方が多く、東北では1、2位を争うくらい写真サークルがあります。そのため春や秋など、イベント情報を見ればあちこちで写真展が開催されています。
具体的なことを3点
カメラの取扱説明書は最高の指導者です。
書いてある内容を一つ一つ理解してください。全てが分かるようになれば、知識的には完璧です。疑問がわいたら、身近なカメラ好きな方に聞いてください。
ネットの質問コーナーなど利用するのもいいでしょう。テクニック的なことは長く続ければ身についてきます。
被写体への思い入れなど、気持ちを込めてシャッターを切りましょう。心の入った写真は、技術的な上手下手は関係ありません。
たまに、撮った写真を大きくしてみるのも力がつきます。
サービス版や小さなモニターだけで鑑賞するのではなく、A4サイズ以上に伸ばしてみたり、大型モニターで観てみると良いところ、悪いところがはっきりするからです。
ピントやボケ、無駄な空間など気になりだしたらワンランクアップした証拠です。
最近の傾向として、ネットのアップでは
経験としては、1ページに4、5枚程度にするのが見やすい枚数だと思います。スクロールして20枚も見せられるのも、疲れるだけです。コメントも読み手にとって、分かりやすいかどうかを考えて書くといいでしょう。
もし画像ソフトが使える場合は、撮影したデーターをちょっと調整するだけで見違えるような写真になります。撮影になれたらレタッチ技術もマスターしたいですね。
写真を公開するブログを始めた場合は、長く続けることを意識して、無理しない程度に定期的に更新するのがいいでしょう。
最初の頃、毎日更新していても息切れする人、多いですよ。
こんなことをもとにして、どんどん撮影して、見てもらうのがよいと思います。何気なく撮った景色の中に、復興を見せている福島を感じることもできるのではないでしょうか。
柳田利美プロフィール
福島県福島市生まれ、文学部地理学科卒、風景写真は独学。1992年、フリーカメラマンとして福島の風景を撮り始める。
ライフワークとして花見山公園と吾妻小富士を撮影している。福島市渡利在住。
おもな写真展
1998年 柳田利美写真展「彩/ふくしまの風景」(福島テルサ/福島市)
2002年 第2回柳田利美写真展「吾妻四季彩」(福島テルサ/福島市)
2008年 第3回柳田利美写真展「吾妻情景」(福島テルサ/福島市)
2008年 柳田利美写真展「吾妻情景」富士フイルムフォトサロン仙台
2012年 第2回柳田利美写真展「花見山花候」富士フイルムフォトサロン仙台