南極便り第2回は無線を使ったこどもの日のイベントや昭和基地での生活のお話です。
野菜の栽培や病院などの設備があり、さまざまな役割の方々が昭和基地で生活しています。
5月5日こどもの日
昭和基地にはアマチュア無線局(コールサイン:8J1RL)があります。毎年5月5日の「こどもの日」には、全国の小学生や中学生、高校生が運用するアマチュア局との交信を優先的に行う、「こどもの日特別運用」を実施しています。昨年は昭和基地にあるアンテナのエレメントがブリザードで折れ、日本と交信ができませんでした。今年は修理用のアンテナを持ち込み整備し、2年ぶりに交信することが出来ました。
当日は、東京・巣鴨の日本アマチュア無線連盟(JARL)事務局資料室に設置されたJARL中央局(コールサイン:JA1RL)と昭和基地とで交信をしました。今回は電離層のコンディションが良くなく残念ながら1時間余りで二人の子供たちだけの交信となりました。
交信した子供たちには、昭和基地オリジナルのQSLカード(57次隊のオリジナルデザイン)が送付されます。QSLカードは来年4月中旬、南極観測船しらせが日本に帰港後郵便で手元に届く予定です。
昭和基地の生活
昭和基地で隊員が居住する部屋は個室になっていて、広さは約7平方メートルです。部屋には机、ロフトベッド、ロッカーがあります。
お風呂は男女別々にあり、毎日入ることができます。
髪をカットする部屋もあります。
食事は調理隊員2名が交代で毎日朝、昼、夜の三食を作ってくれます。
昭和基地内には、オングルファームという野菜を栽培する部屋があり、葉物(サマートップ、ベビーサラダミックス、空心菜、しそ)、ベビーリーフ(ロロロッサ、レッドオーク)、スプラウト(ガーデンクレス、ブロッコリー、レッドキャベツ、アルファルファ他)、もやしなど含めると13種類を栽培し、食卓にでます。2月から4月までの3ヶ月で約20kgの野菜が収穫されました。
昭和基地の電力は300kwの発電機2台を定期的に切り替えて、基地内の電力を発電しています。
基地には昭和基地のある東オングル島の地名から温具留(オングル)中央病院という名の病院があり、万が一の怪我や病気の時は2名の医師が対応してくれます。
病院には診察室、手術室、患者用のベッドの他、レントゲン、胃カメラ、血液検査用の器具、AED、たくさんの検査器具が揃っています。また三ヶ月に一度、 定期健診も行って隊員の健康管理をしています。
次回のお話もお楽しみに。
掲載は6月末を予定しています。
関連リンク
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梅津正道さんが見た美しいオーロラとペンギンの世界をお楽しみください! - 昭和基地NOW!!(新ウィンドウで表示)・・・昭和基地のブログです。
- 公益財団法人日本極地研究振興会のホームページ(新ウィンドウで表示)・・・極地の講演会やメールマガジン、出版物の案内があります。
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- 大学共同利用機関法人国立極地研究所、南極観測のホームページ(新ウィンドウで表示)
- 国立極地研究所の南極・北極科学館のホームページ(新ウィンドウで表示)・・・子ども向けページがあります。