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「くだもの王国ふくしま」って、何がくだもの王国?

 全国でも有数の果樹生産県である福島県、その中でも特に果樹栽培の中心になっているのが、福島県中通り地方の北部、福島盆地です。
 内陸性の盆地型気候で、夏は全国有数の暑さ、冬は寒く、でも雪はそれほど降りません。寒暖差の激しい気候、綺麗な空気、盆地を囲む緑の山々、そして吾妻連峰や安達太良連峰からの豊富な伏流水、豊かな阿武隈川の水が、福島の果物を育みます。
 福島ではたくさんのおいしい果物を栽培しています。夏から冬まで、多くの種類の果物をたっぷり味わえます。しかも、味は一級品。たくさんの果物を、1年を通して楽しめるのが、「くだもの王国ふくしま」です。
 6月のサクランボ、7月から10月の桃、8月から10月の梨やブドウ、9月から12月のリンゴや柿など、いろんな果物をこんなに楽しめるなんて、素敵だと思いませんか。

さくらんぼの写真 
桃「まどか」の写真
ぶどう「吾妻しずく」の写真

東日本大震災を経て

 東日本大震災の原発事故以来、福島の農産物に懸念を持たれる消費者の方々もいらっしゃいます。事故直後から、自治体、組合、地域団体、そして果樹農家、たくさんの人々が多大な努力を重ねて、安全対策に取り組んでいます。
 果樹園でも、樹体(樹木)の洗浄、表土の除去、果樹園を細分化しての放射性物質検査、空間線量検査、収穫した果物の放射性物質検査…安全でおいしい福島の果物をお届けするために、さまざまな対策を実施しています。
 ぜひ、福島の果物のおいしい幸せを味わってください。

 

 

桃の除染作業の写真

 

 

あかつき誕生秘話

桃のあかつきの写真 「くだもの王国ふくしま」ではさまざまな果物が栽培されていますが、その中でも福島を象徴する果物と言えば、ずばり、桃の「あかつき」でしょう。鮮やかな色と整った形で見栄えも良く、とっても甘くておいしい、ちょっと硬めの桃です。現在福島で生産されている桃の54%があかつき、まさに主力品種となっています。
 このあかつき、もともとは昭和27年に神奈川県平塚市の農林省園芸試験場で誕生しました。そのときの品種名は「れ-13」。
 この「れ-13」は、昭和35年から45年の11年間、福島県、山梨県、岡山県など、全国12の県で試験栽培が行われました。色づきもよく、甘みも十分で期待されたのですが、いかんせん、実がとても小さくて商品化は難しいと、昭和46年、「れ-13」の試験栽培は全国的に中止となりました。そのままであれば、数多くの試験品種の中に埋もれて忘れられていたでしょう。

 しかし、福島では「れ-13」の試験栽培を縮小したものの、完全にやめることはなく、少数の生産者にお願いして試作を続けたのです。少しずつ栽培が増え、昭和50年代、樹齢が6、7年になって枝振りがよくなった「れ-13」は、大きな実をつけるようになりました。

 

 

あかつき披露式の写真

 つやのある鮮やかな色合いから、農林水産省では朝日をイメージして「あかつき」、「あけぼの」、「くれない」、「あさあけ」などの候補があったようです。福島県園芸試験場(現福島県農業総合センター果樹研究所)からは、福島市の伝統的な祭り「信夫三山暁参り」にちなんで「あかつき」を上申しました。また、やさしい水蜜桃のような女性的なイメージから、漢字ではなくひらがなが良いという意見、一方で、国語審議会からは「暁(あかつき)」とは夜明けの白色を意味するので赤ではないという意見もあったそうです。
 誕生から27年もの歳月を経て、福島で大切に育まれ、大きく実をつけて出世桃となったこの品種は、最終的に、福島の伝統「暁参り」にちなんで、昭和54年6月「あかつき」と命名され、大々的なセレモニーが開催されました。

 ちなみに、このあかつき、他の地域で栽培すると福島ほど大きくならないそうです。まさに、福島の気候風土を愛する桃といえます。そして、あかつきは、「はつひめ」、「恋みらい」、「暁星」、「まどか」、「ゆうぞら」、「あぶくま」、「黄貴妃」といった新しい人気品種を生み出しています。

 

 

 

取材協力
福島県農業総合センター果樹研究所
JA新ふくしま