ゆっくりとくつろげる「憩いの場」であればいいです。

手打ちうどん ゑびす(えびす)庵

福島市西部、観光でも有名なアンナガーデンの近くに、飯舘村から移転した手打ちうどん ゑびす庵さんがあります。お店を切り盛りされている高橋 義治さん・ちよ子さんご夫婦にお話しを伺いました。

震災から営業再開への道のり

震災から3年、ふるさとを離れ、福島市で営業再開されるまでの道のりを教えてください。

店舗外観(えびす庵)

大きな三角屋根と「飯舘村いこいの家」の看板が目印。

ちよ子さん:実は、飯舘村役場が移転する最後の日まで、村民の「憩いの場所」として店を開けていました。

原発事故によって飯館村が計画的避難区域に指定された後、4月13日の説明会で「6月くらいまでは避難しなくていい」と言われたんです。だったら、しばらくの間は店を開けていてもいいのかなと思って、そのことを避難所にたまたま来ていた新聞記者に話したらメディアで取り上げられて、それをキッカケにして福島市からある方が、うどんを食べに来てくれました。
その方が私たちの友人に連絡をして、「もしよければ福島市で営業を再開しないか?」って話しになりました。

7月4日には営業再開を決めたんですが、夏休み前の7月16日オープンって決めてしまって…正直慌てました。(笑)
のれんや看板なども含めた準備を、福島市の方々と飯舘村の仲間が毎日10人くらいずつ手伝いに来てくれて、なんとかオープンすることができました。営業再開すると毎日飯舘村の皆さんが集まってきてくれて…今でも村の仲間が巡回バスで病院などの帰りに寄ってくれます。とてもうれしいですね。

 

 

 

ふるさとへの想い・料理へかける想い

飯舘村さんは「までいライフ」を提唱されていますが、その意味や取り組みを教えていただけますか? またこれからについてもお聞かせください。

店内の様子(えびす庵)

天気の良い日には吾妻連峰や蔵王が一望できる店内。
今日も村民の方が談笑されていました。

ちよ子さん:「までい」というのは「スローライフ」って意味もありますけど、漢字だと「真手」って書いて、「ゆっくり」「ていねいに」「大事に」という意味があるそうで、私たちは「までいにしろよ」と教えられて育ったのです。
そこから、ウチではエコ箸を使うことにしています。

義治さん:「手打ちうどん」ってところには、こだわっています。今でもこねて玉を作って、踏んで、手で切ってるから、ちょっと手間はかかるんだけど、やっぱりその方がうまいですからね。
料理といえば、以前、飯舘牛の「すき焼き風牛丼」を出していた時はよく売れました。以前はテレビ局からも取材が来てましたし。今度は福島牛でもやってみようかなぁなんて思っています。

ちよ子さん:これからは年のこともあるし、飯舘村にいた時と同じように、ゆっくりとくつろげる「憩いの場」であればいいです。
飯舘村の仲間が集まる場所。ここに来れば飯舘村の人々に会えるって場所でいたいと思います。

 

 

 

お店のぜひココを見て欲しい(食べて欲しい)!

店内で周りの注文を聞いていると、皆さん「肉うどん」が多いように聞こえました。ご夫妻からのオススメメニューはありますか?

ぶっかけ皿うどん(えびす庵)

夏のオススメメニュー「ぶっかけ皿うどん」。
ラー油で味に変化を付けると二度楽しめます。

ちよ子さん:確かに飯舘村の人たちは「肉うどん」を注文する方が多いですね。(笑)

これからの時期は、夏の特別限定メニューの「ぶっかけ皿うどん」がオススメです。ラー油をかけて食べると、サッパリとしていてうまいですよ。大根おろしとショウガのピリッとした味もアクセントになってます。お客さんがよく注文されるのは「五目うどん」「肉うどん」です。

丼ものでオススメは「カツ丼」です。糸こんと舞茸を使って卵でとじています。そうそう、丼ものは全てミニうどんが付くのですが、メニューに書いてないからお客さんはビックリしますけどね。(笑)

 

 

 

店舗情報

手打ちうどん ゑびす庵

  • 福島県福島市荒井字横塚3-179
  • TEL:024-563-7605
  • 営業時間:11時~15時(17時~19時 要予約)
  • 定休日:火曜日
  • 駐車場:あり(15台)