今年も植えることができました。花や種の収穫を楽しみにしています。

[2012年8月28日更新]

今年は、ヒマワリ栽培はいかがですか。

ひまわりの写真

 ヒマワリ畑がある大波城址は、すでに除染作業がされた場所なので、今年も6月10日に植えることができました。
ヒマワリ栽培に着手したのは、大震災以前から市が実施している「福島市中山間地域等田園風景形成支援事業」(耕作放棄地の復旧支援と景観形成を図る事業)で、景観作物であるヒマワリ栽培の提案を受けたことがきっかけです。平成19年度に植え付けをしてから、今年で5年目となります。
 今年は、8月10日前後から咲き始めました。例年、花が見ごろの時期に「ヒマワリまつり」を実施しており、今年も検討しています。9月には、ヒマワリを収穫して、郡山の搾油所で油にする予定になっています。
播種や収穫、催しなどの際には、JA新ふくしま、市農政課、大波地区の自治振興協議会、町会連合会、地元住民、NPOの方などに作業をお手伝いいただき、多くの方に事業を支えていただいています。

(写真提供:福島市企画経営課)

除染作業にあたっては

大波地区除染の写真

 大波地区では、町会で除染作業をやっていくと話し合いで決めて、市・県・国へ自治振興協議会と陳情に行きました。その後、ボランティアの方々が11月の初め頃から入ってくださって病院、学校、大波城趾、ヒマワリ畑などの除染作業をしてくださいました。

 皆さん遠方から来てくださいました。ほとんどの方が関東からで、北海道や関西からの方もいらっしゃいました。皆さんには、作業の間や食事のときに、温まっていただけるよう温かい味噌汁を用意させていただきました。皆さん喜んでくださいましたし、地元の者がかえって励まされる思いでした。ボランティアの方々は、雪がなくなってからの3月にも入ってくれました。病院や公共的な施設がある場所から先に除染をしていただき、心強いです。

(写真提供:福島市放射線総合対策課)

震災直後大変だったことは

 大波は地盤が固く地震だけなら大した被害はなかったといえます。停電はなく水道だけが止まったのですが、井戸のある家があるので、水の確保にはそれほど苦労しませんでした。食料もこの辺りでは、大抵の家で備蓄があります。しかし交通機関が乏しいため、主な移動手段となる自家用車のガソリン不足には困っていました。
 テレビを見ることができていましたので、皆の心配は「大波地区ではどこまで放射性物質が降ったのか」ということでした。3月もお彼岸となれば、いつもなら種まきの支度をする時期です。地区では何度も集まり、話し合いました。「農作物の作付けはダメなのではないか」「いや、作らなくては生活にならない」「何を作るのが大丈夫なのか」そういう戸惑いの中で、農作業をやりたくてもできない状況が続きました。

これからについて

紺頼 純子さん顔写真

 この辺りの高齢者には、農作業をすることで、元気な生活が送れるという方もたくさんいます。山や農地の除染、水田の作付け制限など難しい問題が残っています。ただ、除染が進行していますので、それに伴って少しでも早く営農倶楽部の事業の見通しを立てられればと思います。

プロフィール

 同じ福島市内から大波地区へ嫁いできました。
 大波地区は、専業農家は数えるほどで、たいていが兼業農家で、林業の人もあります。高齢化や後継者、耕作放棄地の問題が深刻でしたので、話し合いを続けていました。その対処として農業生産法人を作ることをめざす「大波上組集落営農倶楽部」が平成19年に作られ、副代表として関わりました。
 JA新ふくしまの理事であり、JA女性部大波支部のメンバーとして地元の直売所「かあちゃん市」の運営にあたってきました。

除染をおこなったエリア

 大波上組集落営農倶楽部のヒマワリ畑がある場所 【地図

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